【COLLEGE+E】サービスの〝質〟にとことん挑戦しよう
- 安部 整
私たちE-LIFEの福祉用具専門相談員は、ご利用者様にとって最適な住環境を提供するという考えを最も重視しています
単に福祉用具をお届けするのではなく、福祉用具を通じて、ご利用者様の問題を解決すること
ご利用者様の問題を解決することがサービス提供の本質だと考えます
その実現のために、イーライフの福祉用具専門相談員の力量を向上するために
「E-LIFE COLLEGE+E(カレッジ)」というプロジェクトを立ち上げました
今回は「E-LIFE COLLEGE+E 」についてお伝えしたいと思います
目次
1:〝迅速な対応はあたりまえ〟
福祉用具専門相談員の仕事は、ご要望に対して迅速に対応することが大切です
これは福祉用具に限らずどんな仕事でもスピードは大切だと思いますが、特に福祉用具はお身体やご生活の状況に合わせて対応する為、スピードは最重要といえます
しかし、迅速に対応するだけでは不十分であると考えます
福祉用具の世界は奥が深いです。数センチの環境設定の差で大きな差が生まれることもあります
〝迅速〟で〝適切〟な対応でなければ、ご利用者様にとって最適な住環境を提供することはできません
サービスの〝質〟にとことん挑戦しよう
このような思いから、〝迅速な対応はあたりまえ〟私たち福祉用具専門相談員一人ひとりが、知識と技術を持って対応できるようになろうと「E-LIFE COLLEGE+E 」プロジェクトは始動しました
2:COLLEGE⁺Eプログラム第一弾は失敗に
プロジェクトの第一弾におけるプログラムの目的は、勉強会を通じて必要なスキルを高め、ご利用者様に対してしっかりとパフォーマンスを発揮できるようにすること
ご利用者様がわからない専門的なところや福祉用具を活用して問題解決するサービス提供ができないと、福祉用具の良さを伝えることができない
勉強会を開催したりアウトプットしたりしようというところを次々進めていきました
数ある事業所の中からイーライフに依頼して頂く理由
〝価値〟を実現したい、その価値が中長期的な成長、強い組織になっていくと思い取り組みました
しかし、勉強会を4回、5回行った頃に気づいたのです
勉強会をして、新しいことを知ることができたことは、勉強会としては良かったのですが・・・
実際の現場で大きな変化はありませんでした
自己啓発本を読んで、頑張ろうという気持ちになって次の日に何も変わっていないのと同じ感覚でした
勉強会としては良かったかもしれませんが、現場で表現ができなければ意味がないという視点では失敗でした
しかし、そのことから学びを得たことで新しい方法を取り組みに移すことができました
しっかりと学んだことを現場で実現できるような仕組みにすること
現場の問題解決に大切な基本を徹底すること、ベテラン社員も新人社員も全員が同じ目線で取り組むこと
私も頭でっかちになりましたが、プロジェクトを進めていく上で何かの記事で読みました
本当に難しい専門的な内容が現場で必要とされるケースは〝まれ〟だということ
基礎の中に隠れている専門的な部分をもう一度、整理する方が現場に通じる〝専門性〟であり、
サービスの〝質〟に直結するものではないかと考えました
3:基礎から学ぶプログラム第二弾の「COLLEGE+J®️」
プログラム第一弾の反省点を踏まえ、新たに土台のところから作っていく
「COLLEGE+J®️(カレッジ ジュニア)」というプログラム第二弾をスタートしました
このプログラムは、社員が基本を固め、 根本的な部分から作り上げていこうという取り組みです
まずは介護保険における〝自立支援〟を理解するところからです
この軸がぶれてしまうと、仕事のスピードもサービス内容も方向性を見失います
トイレに手すりを設置すると介助者が毎回排泄介助に付き添わなくても排泄の動作が自立して安全に行えるなど、福祉用具で支援できることを理解します。そして、日常生活動作の分析をします
日常生活動作の自立支援を意識すると、実際にご利用者様の日常の動作や生活習慣に注目し、意識するようになります
新人社員にとっては、この意識の定着がはじめの一歩です
そして実際に現場でサービス提供ができるようになるために「COLLEGE+J®️」では、ロールプレイングテストをいくつか設けました
〝知っている〟と〝できる〟は違うからです
具体的な内容として介護ベッドで例えてみると、どういうところに注目して提案するべきか、 どういう目的で支援するために使用するのか
また、介護ベッドの組み立てやメンテナンスの方法、ベッドの利用方法、ご利用者様が介護ベッドを安全に使用していただけるようにベッドの説明をすることなど
床ずれができてしまう要因を理解すること、床ずれリスクの軽減策・改善策を提案すること
寝返りができるのか、できないのか、どちらでもないのか、一部介助なのか
また、骨の突出があるのか、中等度なのか、骨がかなり出ているのか
さらに、浮腫があるのかないのか、関節の拘縮があるのかないのかなど
4つの項目の合計点数で床ずれリスクを診断できるツールである「OHスケール」の意味を理解すること
浮腫がある場合、床ずれリスクが高まります
なぜ床ずれリスクが高まるのか。そのような内容をしっかりと理解し、現場でアセスメントする練習も行います
ご利用者様から状況を聞き取った上で、こういったリスクが考えられるので、こういう福祉用具はいかがですか、という根拠を持ってご利用者様に合わせた提案ができる
ご利用者様や介助者の方は、はじめて福祉用具を利用するケースも少なくありません
しっかりとアセスメントが〝できる〟ことはご利用者様の安心にも繋がるのではないかと考えます
基礎から学ぶ「COLLEGE+J®️」プログラムを受けた新入社員は、ご利用者様にしっかりと説明し選定できるようになりました
4:改善することの大切さ
基礎から学ぶ「COLLEGE+J®️」は新入社員の教育プログラムとして定着しましたが、
今後も改善を繰り返していきます
このような取り組みに100%の完成はあり得ないと思いました
改善を繰り返していくことで、内容はより良いものになると思います
仮に悪い方向に進んでしまっても、また修正すれば良い
改善することでもう一つ大きなメリットがあると感じました
プロジェクトには関係なかった全く別の課題に気づけることです
今回の場合に気づいたことは「報連相」です
報連相は仕事の中で基本と言われます
ロールプレイングテストを行う中で、報連相の重要性を改めて感じました
そして、報連相をしっかりと学んだことはあったかな・・・と振り返りました
私は報連相なんて基本中の基本はできている!
これが調べてみると〝知っていたつもり〟だったことが多くありました・・・
〝知っている〟と〝できる〟はやっぱり違いました
このような気づきが生まれるのも改善を繰り返すことでのメリットなのだと思います
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サービスの質への挑戦
サービスの〝質〟にとことん挑戦しよう
COLLEGE⁺Eをスタートした動機です。今でもその思いは変わりません
しかし、〝専門性〟という一つのキーワードの意味は大きく変わりました
プロジェクト当初は〝専門性〟がすべてのような考えがありました
知識や技術を高めれば、良いサービスに繋がる!そんな考えでした
しかし、取り組む中で仕事をする上では先ほどの報連相のようなコミュニケーション能力が何よりも大切だし、
サービスの質にとことん挑戦する目的は、ご利用者様がイーライフのサービスに満足していただくこと
〝専門性〟は一つの手段
〝専門的であればある程、仕事としては成り立たなくなってしまう〟
そんな説もありますが、とにかく挑戦していきます
著者
安部 整 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア1989年 東京都大田区生まれ。 前職から福祉用具営業に従事し、福祉用具の選定には人間工学や医療の知識など、様々な要素が大切と気づき、自己研鑽する。 現場対応に加えて、介護・医療・人間工学・力学なども学び、より適切な福祉用具の選定に根拠と自信を持つ。 現在はそのノウハウや知識を会社全体での育成の仕事を行いながら現場も回る。