クレームの実態
前回イーライフの会議で私から
勉強会した内容を載せます。
クレームは見方をかえると、
第三者からの是正の意見であり、
また自分や会社が気づかない事を
発見することが出来、結果として
会社のサービス向上に繋がります。
つまりクレームを言ってくださる
利用者様は非常に貴重であり会社に
対するエールとも捉えられます。
ただ、残念ながらクレームを言う方は
一般的にごくわずかで、
クレームを言わない方は不満を持ちながら
そのまま二度と使わない傾向があります。
一人の顧客を失うという事は
百人の顧客を失う事という事にも匹敵し、
ビジネス全体のコストのうち、
最大かつ最悪のコストは、
顧客を失うことであるという事です。
ここでいくつかの事例やデータを
紹介したいと思います。
◆不満を持つ顧客のうち苦情(クレーム)
を言う人は4%にすぎない。
後の96%はただ怒って二度と来ない
(使わない)だけである。
◆苦情が1件あれば同様の不満を持っている人は
平均26人いる。そのうち、
6人は非常に深刻な問題を抱えている
◆苦情(クレーム)を言った人のうち、
56~70%の人は苦情が解決した場合、
その企業と再び取引したいと考える。
その比率は解決が迅速かつ誠実に行なわれた
場合96%まで上がる
◆企業が顧客を失う原因の
役80%はサービスの悪さ(従業員の対応)にある
<出典 「サービスが伝説に変わる時」ベ
ッツィ・A. サンダース>
次の事例として、1970代のアメリカに
おけるカーター政権時代に消費者問題に
関して大規模な調査が行われた内容を紹介します。
それは製品やサービスに関する不満や苦情に
関する顧客の心理調査とその分析です。
その結果『不満をもつ顧客の内、
苦情を言う人は4%のみ、残りの96%の人は
ただ何も言わずに去っていく・・・』
という結果が出ました。
これは『グッドマンの理論』という消費者問題の
調査結果です。現在の心理学の理論においても
非常に著名な内容となっています。
この結果から「製品やサービスに関して、
不満を持った100人の内4人がその会社や
販売店に苦情を言う・・・」。この数字は
クレームが1件発生すれば、
その背後には
「表面化していないが同類の
潜在クレームが25件ある」
と示唆するものです。
潜在する25件を考えると、
「たかだか1件の苦情に過ぎない」
「まだ1件しかでていない」と言った
安易な判断がいかに危険で誤った
ものであるかが理解できます。
更に別の観点から、
顧客対応に関する統計数字があります。
それは『製品やサービスに満足した人は
平均5人にそれを話すが、製品やサービスに
不満をもった人は平均9~10人に話す』
と言う数字。
つまり、「悪い話はよい話の2倍の
伝染力や影響力」を持つのです。
これが「口コミ」の怖さです。
格言にある「善事は伝わりにくく、
悪事は千里を走る」を物語っています。
これは人間の邪悪な本質の一部で
無くすことはできません。
以上の統計的数字から私達が
行動するべきことは明確です。
どの職種でも例え1件の苦情も
絶対に見逃してはならないという原則。
そして苦情は最優先で迅速かつ
誠実に実行するということ。
これが顧客満足や企業の
信用そして業績向上に繋がる原理原則の
一つだと思います。
著者
篠本 高基 【代表取締役社長】1979年 神奈川県横須賀市生まれ。 2016年の創業以来、一貫して代表取締役として牽引 主に経営戦略と15年間での営業経験で構築した手法を社員に徹底した指導を行う。 その他、新規事業を手掛けている。 高校時代は神奈川県の強豪私立高校で甲子園を目指す。ポジションは投手。