AIと福祉用具

AIと福祉用具
  • 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア安部 整安部 整
  • 私たちE-LIFEの福祉用具専門相談員は、ご利用者様にとって最適な住環境を提供する仕事という考えを最も重視しています
    単に福祉用具をお届けするのではなく、ご利用者様の根本的な問題を解決すること
    今回は、AIを活用したエアマットについてお話をしたいと思います

1:AI×エアマット

AIを活用した福祉用具が増えてきました

 

車であればGPSやカメラ、レーダーやセンサーなどのさまざまな計測装置や情報技術を駆使した自動運転が進んでいるように、福祉用具の分野にも人工知能AIが活用され始めています

 

今回はAIを活用して、全自動運転機能を搭載したエアマットについてです

 

AIを活用したエアマットはどのようなメリットがあるのか・・・

 

エアマットを利用する方の体重や体形、動きに合わせて自動でエアマット内の空気圧を調整します

 

ご利用者様にとっては、ご自身の体形や動きに最適な空気圧でエアマットを利用することができます

エアマットがご利用者様の動きを感知し、常に最適な空気圧に調整することは介助負担の軽減にも繋がります

 

スモールフロー機能(自動体位変換機能)も搭載されており、その他にも現場で有効な機能が搭載されています

そして全自動の為、操作が簡単です

(細かな機能については文章ではわかりづらいため、ページ下の動画にてご紹介致します)

 

福祉用具に限らないかもしれませんが、どんなに良い機能でも操作方法が複雑すぎると活用できないことが多いと思います

 

特に退院時などは退院する為のサービス調整など、受け入れ態勢を整えるのも大変です

そんな時にご利用者様・介助者にとって本当に使いやすい福祉用具は・・・と考えます

 

2035年問題など介護業界では人手不足が問題視されています

テクノロジーを駆使した福祉用具を活用し、問題解決していくことは今後より大切になっていくと思います

 

2:優しい体位変換

ここちあ利楽フロー(AI機能搭載エアマット)の自動体位変換機能は『ご利用者様の眠りを妨げない体位変換』というテーマで開発されました

 

スモールチェンジ法という体位変換方法がモデルになっています

(簡単にいうと小さな体位変換を繰り返し行います)

 

マットレス内部の4カ所に配置したエアセルが 1つずつ時計回りにゆっくりと膨張と収縮を繰り返し、同じ部位に続けて圧力が掛からないようにします(マットレスに約6度の傾斜角度がつきます)

 

マットレスの傾斜角度により、圧力が掛かる方向が変わり、床ずれの予防に効果的です

 

エアマットや自動体位変換機能は床ずれを予防するという目的で導入することがほとんどですが、スモールチェンジ〝小さな刺激〟はご利用者様の身体機能維持にも効果的です

 

スモールチェンジ〝小さな刺激〟に姿勢反射(身体が傾いた時に重心を移動してバランスを取ろうとする)を起こし、ご利用者様の自立した動きを促します

 

そして体位変換用のバナナ型のエアセルは、ちょうど良くご利用者様のお身体にフィットします

ご利用者様の寝ている位置を感知し、無理な体位変換はエアマットが制御してくれます

 

ご利用者様の身体機能や動きに合わせて、フィッティングをしてくれるので、ご利用者様の健康と安全、介助者の負担軽減と安心感に繋がります

AIを活用して作られた機能を搭載することにより、〝優しい体位変換〟を実現できるようになりました

 

3:ご利用者様の目的を考慮して選定すること

自動体位変換機能の目的もご利用者様によって変わります

 

・床ずれを予防したい

・ベッド上で身体を動かすリハビリを行いたい

 

上記のような目的の違いでも、選定するエアマットは変わります

 

肺疾患の方は機械的に体位変換を行うと苦しい姿勢が続いてしまうリスクがある為、自動体位変換機能付きのエアマットの導入はお勧めしていませんでしたが、ご利用者様が苦しい姿勢になった際に戻せないという課題はAIが普及したことにより、解決に繋がりました

 

エアマットの他にも電動車いすの事故防止などにもAIが活用されてきています

最初は新しいものは取り入れづらいものですが、現場に有効な機能は福祉用具専門相談員として広めていきたいです

 

私たちE-LIFEの福祉用具専門相談員は、ご利用者様一人ひとりの目的を考慮した上で、適切な福祉用具のご提案するように努めていきます

著者

安部 整 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア

1989年 東京都大田区生まれ。 前職から福祉用具営業に従事し、福祉用具の選定には人間工学や医療の知識など、様々な要素が大切と気づき、自己研鑽する。 現場対応に加えて、介護・医療・人間工学・力学なども学び、より適切な福祉用具の選定に根拠と自信を持つ。 現在はそのノウハウや知識を会社全体での育成の仕事を行いながら現場も回る。

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