〝緊張すること〟

〝緊張すること〟
  • 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア安部 整安部 整
  • 私たち E-LIFE の福祉用具専門相談員は、ご利用者様にとって最適な住環境を提供する仕事という考えを最も重視しています
    単に福祉用具をお届けするのではなく、ご利用者様の根本的な問題を解決すること
    今回は〝緊張すること〟についてです

1. 緊張することを受け入れる

弊社が 5月に開催しました、福祉用具ロールプレイング〝COLLEGE⁺KING〟を通じて、〝緊張すること〟について考えるようになりました
ロールプレイング大会の出場者の方から「とても緊張した」という感想が多かったです。(その緊張に対する達成感も大きかったと思います)
やはり人前で話すときなど、緊張する方が多いと思います
ロールプレイング大会に特別審査員としてご参加頂きました、株式会社イーアス代表取締役の武田二郎社長の審査員コメントが印象的でした
『出場者の皆さんはとても緊張されたと思います。

もしかすると、ロールプレイングで力を出し切れなかったという感覚があるかもしれません。

少し発想を変えてみると、私たちがサービスを提供するご利用者様の中には疾病などの影響により、緊張状態で生活されている方もいらっしゃいます。

本日の経験をご利用者様の視点になって考えてみることも大切です』
そのコメントを聞いて〝緊張への対策〟はどうすれば良いのか考えるようになりました

緊張することは、ごく自然なことです
緊張について調べてみるとすぐに出てきますが、人間が緊張するのはひとつの〝防衛本能〟です
〝ここぞ〟という場面で自身を奮い立たせるために、ホルモン分泌や交感神経優位の影響で緊張状態になります
〝緊張することはごく自然なこと〟〝緊張を受け入れる〟ことがまずは大切だと感じました
緊張することを受け入れたうえでパフォーマンスを出せるように考えると緊張がプラスに働くのではないかと思います

2. 福祉用具で活動(緊張)と休息のご提案を

福祉用具の環境に置き換えると、適度な緊張は活動性に直結します
緊張しすぎ=〝過緊張〟は身体機能を低下させる恐れがありますが、日中の適度な緊張は活動力を維持するためにとても大切な要素だと私は思います
特に姿勢変換できる電動ベッドやティルト車いすなどは、休息姿勢と活動姿勢などを使いわけるご提案ができます。

車いすシーティングやベッド上のポジショニングは『身体機能の維持』と『活動』が大切なポイントです

(夜間帯などにリラックスできる環境を提供することも言うまでもなく大切です)
まとめると、福祉用具の住環境整備はご利用者様からアセスメントした内容やご要望に合わせて、活動(緊張)と休息のバランスをご提案することが大切だと思います
ロールプレイング大会を通じて、〝緊張〟に対しての価値観が変わりました

著者

安部 整 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア

1989年 東京都大田区生まれ。 前職から福祉用具営業に従事し、福祉用具の選定には人間工学や医療の知識など、様々な要素が大切と気づき、自己研鑽する。 現場対応に加えて、介護・医療・人間工学・力学なども学び、より適切な福祉用具の選定に根拠と自信を持つ。 現在はそのノウハウや知識を会社全体での育成の仕事を行いながら現場も回る。

福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア安部 整