足底を支えることの重要性

足底を支えることの重要性
  • 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア安部 整安部 整
  • 私たちE-LIFEの福祉用具専門相談員は、ご利用者様にとって最適な住環境を提供する仕事という考えを最も重視しています
    単に福祉用具をお届けするのではなく、ご利用者様の根本的な問題を解決すること
    今回は足底を支えることの重要性についてです

1: 良い姿勢とは?

ベッド上での姿勢保持を支援する際(ポジショニング)、車いす上での座位保持を支援する際(シーティング)に「どのような姿勢がご利用者様にとって最適か・・」というゴールを決めて福祉用具を導入します

 

では、どのような姿勢が“良い姿勢なのか”という疑問が生じます・・・

 

残念ながら“良い姿勢”というものはなく、動作や目的に“適した姿勢”があるだけです

すべての動作や目的に“万能な姿勢”というものもありません

 

呼吸がしやすい、食事がとりやすい、床ずれへの対策など生命活動に対して姿勢保持をご支援させていただくケースが多いのですが、ベッド上や車いす上で仕事(タイピングやライティング)をするなどの社会参加活動に対して姿勢保持をご支援させて頂くケースもございます

 

どうしても、一つの目的や動作を優先すると代償がでてしまうことが多いのも事実です

“呼吸がしやすい姿勢“=“ライティングしやすい姿勢”とはなりません

 

そして“変化できる”というのも大切な視点です。同一姿勢で過ごすことの弊害(廃用症候群など)への対策がとれるように、不都合があった時に変化できることが大切です

 

ご利用者様の目的をアセスメントし、ご利用者様・介助者様とゴールを決めて福祉用具を導入し、ご利用者様の目的に合致しているか確認することが重要となります

 

 

2: ベッドのフットレスト・・・?

こちらの介護ベッド(Emi)にはオプションでフットレストを取り付けることができます

ベッド上でフットレスト・・・?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、足底を支えることで主に“活動”にメリットがあります

 

(1) 足底を支えることで体幹が安定します

(2) 足底に刺激を受けることで覚醒を促す

(3) 嚥下機能が向上する

 

他にも尖足の予防などの効果もあります。今まではポジショニングクッションなどで対応していましたが、“クッション”なので、しっかりとした足底のサポートが難しかったのですが、“フットレスト”が取り付け可能となり、しっかりと“サポート”ができるようになりました

 

足底のサポートと嚥下機能の関係も様々な要因があります

 

(2)の刺激による覚醒の影響もあれば、筋骨格の要因もあります。

身体はすべて繋がっています

足底→下肢→骨盤→脊柱→肩甲骨→舌骨

 

簡単にいうと、“身体はすべてが連動していて、踏ん張りやすくて、飲み込みやすい”ということです

 

3: 目的に応じた姿勢保持

生活をする中で様々な姿勢をとります。しかし、同一姿勢を続けるには限界があります

目的に応じて効率的な姿勢で、不都合があった時には変化できる

日々、福祉用具の業務を行う上で、この二つが特に重要だと思います

ティルト機能車いすは1台で“活動”と“休息”姿勢をとることができます。変化することが容易であれば、ベッドから離床することへの抵抗が少なくなります

 

ご利用者様の食事が目的であれば、車いすテーブルを取り付けることで、その目的を達成することができます。更に車いすのシートが心地よく身体にフィッティングされていれば、活動時間は長くなります

 

アセスメントとフィッティング!!

イーライフの福祉用具専門相談員はご利用者様の目的に応じて、最適な福祉用具を提供致します

著者

安部 整 福祉用具専門相談員・スペシャリスト育成プロジェクト【COLLEGE+E】責任者・日本車椅子シーティング協会認定シーティングエンジニア

1989年 東京都大田区生まれ。 前職から福祉用具営業に従事し、福祉用具の選定には人間工学や医療の知識など、様々な要素が大切と気づき、自己研鑽する。 現場対応に加えて、介護・医療・人間工学・力学なども学び、より適切な福祉用具の選定に根拠と自信を持つ。 現在はそのノウハウや知識を会社全体での育成の仕事を行いながら現場も回る。

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